2008年8月3日日曜日

PC が熱暴走 (4) - ケースファンの交換と増設

PC が熱暴走 (3) - クーラーで冷せ! のつづき

1. ケースファンを取り替えよう

CPU の温度が高いので、PC ケースのサイドパネルをはずし、部屋のクーラーをつけた。その結果、CPU の温度が 50 度台でおさまっている。

それにしも、サイドパネルを外したまま PC を使うというのはいかがなものか... (@_@;) パソコンを机の下に設置しているので、中身を誤って蹴ったらどうしよう... やはり、別の方法で CPU の温度を改善した方が良い。

考えられることは、CPU ファンをサイドフロー型に変更すること。しかし、もし、CPU ファンを変更して温度が変わらなかったら悔しい。もっと安く気軽に変更できる方法として、ケースファンを取り換えることにした。

ケースファンは、「ただの扇風機」くらいにしか考えてなかった。しかし、調べてみると、いろいろと考えなくてはいけないことが分かった。

 

2. 吸気と排気

自分が使っている PCケース には、はじめからファンがケースの前後に付いていた。

株式会社サイズ | 商品詳細 |CASE by CASE によると、

  • 搭載ファン
    フロント→14cm or 12cm(25mm厚)×1個
    (※出荷時14cmファン搭載済。)
    リア→12cm or 8cmファン×1個
    (※出荷時12cmファン搭載済。)
    サイドパネル→無し
  • ファン仕様
    フロント部分:140×140×25mm厚 ペリフェラル4Pin接続
    1000rpm±10% / 45.58CFM / 26.91dBA
    リア部分:120×120×25mm厚 ペリフェラル4Pin接続
    800rpm±10% / 31.10CFM / 14.00dBA

    (太字は引用者による)

  •  

    CFM の意味

    スペックを見ると、フロントのファンの方が大きく、回転数も高く、風を送る量が多いことがわかる。上記の

    `CFM’

    という単位は、ファンの風量 ~CFMの単位の意味はなんなんですか?基準は? - Yahoo!知恵袋 によると、

    風速とCFMは関係ありません。
    Cubic Feet per Minuteの略です。
    一分間に何立方フィートの体積の気体が(この場合空気が)送られるか、という意味です。

    この数値を見ることがポイントとなる。

    親父の PC ケース (ANTEC SOLO) には、はじめから付いているファンはリアだけだった。果たしてリアだけでいいのだろうか?自分の PC ケース のようにフロントにファンが付いていることには、どういう意味があるのだろう?

     

    吸気量と排気量

    吸気量と排気量については、基本的には同じにするのが良い。ただし、吸気の方を大くすると、冷却効果が低くなるという意見がある。

    ケースファンの交換について –OKWave によると、

    空冷の基本は吸気量=排気量、または吸気量<排気量という関係になるように調整することです。吸気量のほうが大きいと内部の熱が排出しきれなくなるので冷却効果は低くなります。また吸気と排気の関係に気を付けてもどちらの値も小さければ意味がありません。

    (太字は引用者による)

    上記に対して、側面と背面だけにケースファンを取り付けるとき、エアフローはどうすれば? - 教えて!goo には、

    吸気量>排気量とすると、ケース内圧が高くなり、吸気ファン以外の箇所から空気が入らなくなるので、埃を吸いづらくなると聞きました。逆に吸気量<排気量とすると、ケース内が低くなり、色々な隙間から埃を吸い込みやすくなるようです。

    また、同様に ケースファン –OKWave には、

    ちなみに私の場合、吸気量>排気量を意識して設置しています。
    まぁ、吸気量=排気量が普通なんでしょうけど。
    吸気量<排気量だと、その差をCDドライブとケースの隙間とかから入ってくる外気(?)で補うので、埃が入りやすくなるような気がするからです。
    とはいっても、極端に吸気量>排気量にしてはいないです。
    まぁ、これは参考程度に。

    自分の PC ケースは、吸気の方が大きくなっている。これは、「埃が入らないように」という意図があるのだろうか?親父の PC ケースはリアにしかない。ちゃんと吸気のためのスペースがフロントに二つ用意されている。これも吸気のことを考えてのことなのだろう。

     

    上の穴から熱を逃がすケース

    できることなら、熱は上から逃したほうが良い。

    ケースファンの数について - 教えて!goo によると、

    基本概念として、熱は下から上にあがりますので
    下は吸気、上は排気になるようにしてください。

    自分の PC ケースは、吸気はフロントの下部にあり、排気はリアの上部にある。残念なことに、上面に穴はない。

    ケースファンをいくつか買えば、安いケースの値段になってしまう。ファンを替えるのではなく Antec Three Hundred のようなケースに買い換える方が良いかもしれない。このケースを見ると、上面にもファンが取り付けられている。自分のケースが熱暴走しているときに一番熱がたまっているのがケース上面。それを考えると、ケースを別のものに替るという選択肢もありかもしれない。

    価格.com - ANTEC ThreeHundred を見ると、Antec Three Hundredは、よく売れているようだ。

     

    3. ファンコン付きのファン

    早速、ファンを探すことにした。参考にしたのは、

    のケースファンの項。それに加えて、

    注目したのは、以下の 3 つの製品。

    ただし、選択肢を狭めるほどに、決定的な情報を見つけることができなかった。そこで、無難にケースを購入した同じ会社のファンを選択した。

    購入したのは、サイズ の SA1225HP12LVR。理由は、ファンコンが付属してるため。当初は、独立して操作できるファンコンを買おうと思った。しかし、なるべく出費を抑えるためにやめた。

    ファンコンは、スーパーファンコントローラ Ver.3 が紹介されているのをよく見かける。 ST-35A などは質感もデザインもイイ。見ていると欲しくなってしまう。

     

    4. PWM

    ケースファンを物色しているときに、PWM という言葉を見かけた。

    パルス幅変調 – Wikipedia によると、

    パルス幅変調(パルスはばへんちょう、Pulse Width Modulation、PWM)とは変調方法の一つであり、パルス波のデューティー比を変化させて変調すること。

    1. 機械工学などにおいては、スイッチon/offの比率を変化させる手法。

    これを利用すると、CPU ファンのように、温度に合わせて自動で回転数を変化させてくれる。

    ファンのピンの数が 4pin とか 3pin とかあり、どういう組み合わせで、どのように回転数を変えるのか今一よくわからなかったので、今回は PWM 対応のファンは見送ることに。

     

    5. ファンの取り付け

    ファンを取り付けする時、サイズ の SA1225HP12LVR は、ファンコンのツマミをはずす作業が大変だった。ペンチで押さえ、ツマミを抜いた。後は、ネジをしめて取り付け、ファンコンをケースの背面につけるだけ。

    使っているマザーボード (GA-MA78GM-S2H (rev.1.0)) 上には

    SYS_FAN

    という差し込みがある。最初そこに接続した。その結果、電力が足りず 300 回転くらいでしか動かなかった。 (+_+)

    この理由については、4pinのFan Headers - 教えて!goo が参考になった。

    4pinのSYS Fanの各pinの定義(Definition)で、
    1:GND, 2:SpeedControl, 3:Sense, 4:+5Vとなってます。他のHeadersは全て供給電圧の項目は+12Vになっており、本文にも各FanHeadersには+12Vが供給されてると記述されています。
    この4pinのSYS FanのコネクターにPWM対応のケースファンを接続する予定ですが、この4:+5Vは、何故+12Vでは無いのでしょうか?

    という質問に対する解答。

    >この4:+5Vは、何故+12Vでは無いのでしょうか?
    PWM制御ではないのでしょう。
    FAN制御にはPWM制御電圧制御があります。
    パルス化してON時間の長さを変化させることで回転数を変化させるものがPWMです。
    5V固定なことからPWMでないことを物語っていると思います。 (…)

    恐らくは、スイッチ等で物理的にFANへの印加電圧を切替えて
    回転数を単に切替えるためのものではないかと想像します。
    12V印加で全速回転、5V印加で低速回転というような。
    その通りの設計意図であるならば、FAN選択は注意したいところです。
    (静止状態からの5V起動が可能である旨謳ったFANでないと回転しないため)

    私個人としては、システムFANは専用コントローラを別途購入して、フレキシブルに
    ユーザー任意で操作出来たほうが使い勝手や安全面からベターと思います。

    なるほど、そういう風に SYS_FAN は使うのか。

     

    6. ファンを取り付けた結果

    ファンを取り換えたら少しだけ CPU の温度が下った。しかし、時間が立つとケースの上部が熱を持ってくる。

    サイドパネルをはずして、ケースの中に手を入れると、上の方がモワっとしている。 まだまだ CPU で発生した熱が上手く外へ排出できないようだ。 (+_+)

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    そこで、今まで取り付けてあったケースファンを、熱を吹き飛ばせる位置に固定した。

    08-07-21_14-20

    取り付ける位置に合うボルトとナットがあったので、光学ドライブの上にファンを乗せ、横から締めて固定。

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    前から見るとこのようになっている。はじめきつく締めすぎてファンが動かなかった。 ^^;

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    ファンを取り付けた結果、上部の熱が大分排出されるようになった。

    室温が 33 度で、サイドパネルをつけた状態で、CPU の倍率を 9 倍に設定。スカイプでビデオチャットをしていても、CPU の温度は 50 度台でおさまった。ただし、定格の 13倍で動かすと 80 度近くになってしまった。 (@_@;)

    PC が熱暴走 (5) – CPU クーラーのファンを交換 のつづき