2008年2月20日水曜日

オイルヒーターを買ってみた - ひだまりのような暖かさを感じるデロンギ

1. オイルヒータ-は、輻射熱で暖まる

オイルヒーターと言えば、デロンギ。デロンギというのが、オイルヒーターの総称だと思っていたくらい。

オイルヒーターの仕組みは、

オイルヒーターは、密閉容器内の難燃性の電熱器で暖めて循環させてフィン(放熱板)から放熱し、輻射熱によって部屋を暖める暖房器具である。空気の循環は自然対流による。

オイルヒーター - Wikipedia より)

エアコンや、石油ストーブとは、暖かさの質が違うようだ。

 

2. 断熱性の低い、古い家でのオイルヒーターの利用は難しそう

07-12-13_18-25オイルヒーターを買おうと思った理由は、ばあちゃんのため。 1 人暮しをしていて、最近、足腰が弱くなってきた。

ばあちゃん家は、かなり古くて、鉄筋コンクリート造り。昔、商売をやっていたために、床がコンクリートむき出しの部分が多く、居住している部屋は、壁により区画に分かれていない。ばあちゃんが生活している場所は、薄い戸で区切られている。古い建物なので、隙間風が入ってくる。土壁は、所々剥がれ、床板は、所によりベコベコと凹む。

ばあちゃんは、石油ストープが嫌い。臭いがダメと言っていた。最近のものは、臭いが少なくなってきているけれど、石油ストーブは、火を使うのが心配だったので、新たに購入するのはやめた。

オイルヒーターが適した建物は、

オイルヒーターは暖めた空気を自然対流で循環させる方式のため、換気によって効率が悪くなる。また、日本式の家屋は木造住宅が主流で、ヨーロッパに多いレンガ住宅に比べて断熱性が低い。そのため、オイルヒーターでは部屋が暖まりにくい。 (同上 より)

07-12-13_18-251断熱性という点が一番心配だった。設置しようとしている部屋は、最近の住宅のように、断熱がしっかりとしていない。しかも、ばあちゃんのいる部屋は 4 方のうち一つが壁。たの三面が、開き戸になっており、開放的な作りとなっている。

親父は、「こんな場所で効果があるわけがない」と購入に対して消極的。しかし、火を使わないので安全なことと、エアコンのように空気が乾燥しないことわかったので、試しに購入することにした。

壁やカーテンから 20 cm の距離を取れば設置できるところも、ポイントが高かった。左の写真は、実際に設置した場所。タンスから結構近いところに置いても問題ない。

日本では、デロンギがオイルヒーターの代名詞になっている。ヨーロッパには、様々なメーカーがあるようだ。他のメーカーにしようか迷ったけれど、後々のメンテナンスのことも考え、無難に普及している機種を買うことになり、最終的にデロンギに落ちついた。

 

3. 実際に使ってみたら、ゆっくりと、ひだまりのような暖かさとなる

予め調べてわかっていたが、スイッチを入れてから、暖かくなるまでに、相当時間がかかる。

暖かさの感じとしては、「もわぁ~」と暖かさが「ある」という感じ。「ある」というのは、変な表現なのだけど、この表現が一番しっくりくる。デロンギの付近に、暖かい空気の層があるのを感じる。

しかし、部屋にいてスイッチを入れ、そのままずっと部屋にい続けると、いつ暖かくなったのかよくわからない。部屋の外にでると、「あ、寒い」と気がつく。

スイッチをつけてしばらく経ち、部屋に戻ると「もわぁ~」とした暖かさを感じる。石油ストーブのように、一気に暖まることはないので、寒いところから帰ってきて、すぐに暖まりたいという用途には向かない。

 

電源とタイマーの操作方法
電源のオンオフは 2 進数のようなスイッチ
操作パネルは、とても独特だと感じた。

まず、電源をオンオフするためのスイッチ。電力の設定は、「強、中、弱」とある。普通なら、一つのスイッチ系で 3 段階切替えをするけれど、デロンギでは、右の写真の、上二つのスイッチでこれを切替える。

2 進数のようになっており、

  • 00  が オフ
  • 01  が 弱
  • 10  が 中
  • 11  が 強

つまり、二つのスイッチを右側にしておけばオフ。左側にすれば強。上一つオンで弱。下一つオンで中。

タイマーは、時間を回してあわせ、オンにしたい時間のピンを内側へ押す

また、おもしろいのは、下のタイマーのスイッチ。最初見たとき、何をするためのものか検討がつかなかった。

赤いピンを、外側から内側に押すと、ヒーターがオンになる時間を設定したことになる。

一回りで 24 時間。 1 つのスイッチで 15 分の運転になっている。

運転させておきたい時間の設定方法もシンプル。これまで日本の製品で、このようなタイマー運転のさせかたをするのは見たことがなかった。

デジタル表示で

○○ 時 ~ △△時 まで、スイッチをオン

するというのが、普通だと思っていたので、このインターフェイスは新鮮だった。めちゃアナログ。でも、わかりやすい。 しかも、細かくオンオフの状態を切り替えようと思えばできる。

 

暖かさは、もわぁ~とした感じ

思っていたよりも暖かくなる。しかし、パワーが十分かと言えば、石油ストーブにはかなわない。特に、密閉位されてない空間では、顕著に差が出る。

暖かさの感じは、やわらかい。ただし、「もわぁ~」とした感じが嫌いな人にはお勧めできない。人によっては、ひだまりのような暖かさと感じる。

概ね、買ってよかった。 ^^

 

4. オイルヒーターは、窓側の冷気が来る場所に置く方が、部屋全体が暖まる

追記(2011.1.1) : 結局、ばぁちゃんは、デロンギのヒーターを使わなくなった。電源を入れてから、すぐに暖かくならないので、使い勝手が良くないと感じたようだ。隙間風が入ってくる部屋だったので、効率も悪かったようだ。オイルヒーターはやめて、昔ながらのコタツに変更した。

今は、デロンギを自分の部屋で使っている。隙間風は入ってこない部屋なので、オイルヒーターにとって、活躍の場として適している。

最初、デロンギを、自分が座っている椅子の真裏に置いていた。しかし、今一、部屋全体が暖かくならず、デロンギの周囲だけが、モヤモヤと熱くなった。

De`Longhi の「お部屋のどこに置いたら効果的に使えるの?」によると、

意外に気にされていないのがオイルヒーターの置き場所です。 熱の逃げやすい窓際や、外気の冷えが伝わりやすい壁際に平行に置いて、ヒーターの熱で冷気を ブロックすると、温度ムラが抑えられ暖房効果も高くなります。

自分の場合、上図の「悪い例」の設置をしていたので、窓際に置くように変更した。

その結果、部屋が均一に暖まるようになった。しかも、遠い場所にデロンギが置いてあるにもかかわらず、ひだまりのような暖かさが、伝わってくるのも感じる。

置き方一つで、これほど変わるとは思っても見なかった。