2008年2月1日金曜日

困っている相手の話を聴く方法

Green chair Originally uploaded by shutrbugr

人生、いろんな人と関わっていると、自分ではどうにもできないような状況に陥っている人の話を聴くことがある。何か困ったことを聞いた場合、それに対してどうしようかといろいろと方策を考える。これは話を聞くときの癖のようなものだ。別に適当にフンフンと聞き流しておくという方法もあるだろう。女性は話を聞いてほしいだけなのに、男性は問題に対してどういう方法でアプローチしようか考えながら聞くとよく言われる。ここに齟齬が生まれる。

何か問題があると、それを解決しようと動機付けられるのは、人間の自然な反応だ。自分の抱えている問題は見通しが立てにくいのに、相手の抱えている問題はシンプルに見える。だから、悩んだときに他人にアドバイスを求めるというのは悪いことではない。しかし、アドバイスをする側は、シンプルに見えるからこそ「ああやればいい、こうやればいい」と様々な解決索が浮かび、それを相手に押し付けようとしてしまう。そして、話をすぐにまとめたがる。問題のある状況を聞いていると解決索を考え続けなくてはならず、それがストレスになるからだ。

辻褄の合わない話を聞いているのは、とても苦痛だ。相手が自分と違う考え方を持っていて、明かに間違っていると思えば、それを否定したくなる。その否定は他の問題にも飛び火し、相手を圧倒してしまい、何のための相談かわからなくなる。

気をつけなければならない。自分が提案している解決策というは、たいていの場合、相談者は考えたことがある内容だ。「そんなことわかっているよ!」というのがオチである。では、なぜ相談を持ちかけるのか?それは単に話を聞いてもらいたいだけなかもしれないし、話をすることによって自分の問題を共有してもらいたいだけなのかもしれない。しかし、そうであったとしても、相談される側として、誠意ある対応をしようと考えているのならば、次の点を考慮しながら相手の話を聴き、対応するのが重要なのではないかと思う。

  • 問題となっている物事に対する捉え方を浮かび上がらせるような質問をしていく。これにより、相手の考え方のフレームワークを理解する。
  • 話に整合性がなくても、ツッコミを入れず、とりあえず話を聞く段階を設ける。すぐに反論をしない。
  • おかしいと感じた点について、別の考え方ができる可能性をやんわりと提示し、それに対してどのように思うか聞く。
  • 説得をするような言い方はしない。自分ができる解決方法を、誰にでも適用できるという楽観的な考え方はやめる。