1. 一つの TODO を書きだすと、他のやるべきことを忘れる
何かやらなくてはいけないことが、頭に思い浮かぶと、
- まずメモに書き出す。
- それを一つ一つこなし、
- ペンで塗り潰していく
というのが習慣となっている。( cf. 増殖するバブルを使った、バブルマップの利用法 )
しかし、この方法には一つ問題がある。
ひょっとすると、若い脳みそなら問題なかもしれない。しかし、年をとると、忘れっぽくなる。信じられないくら思い出せなくなる。
例えば、今、やらなくてはいけないことが 3 つあるとする。頭の中には、ぼんやりとその 3 つを意識している状態。さて、これをメモに書き出すとしよう。一つ目の TODO を、ぼんやりとしたイメージの中から取り出そうとするとき、頭の中で、割と負荷のかかる処理が必要となる。
なぜなら、頭の中にぼんやりと対象が浮かんでいる状態は、言語化されていない部分が多い。これを明確な形に書き出すには、短期的な集中が必要となる。そして、問題なのは、結果として、書き出した内容以外のことを思い出せなくなってしまうこと。
記憶の抑制に対処するには、大雑把に出力する段階を設ける
TODO をメモに書き出しているときに、気がついたことがある。後で思い出せなくなるとき、たいてい
- 書き出している内容に集中し過ぎているか、
- 精緻に言語化しようとしている。
これは、一つのことを書き出すことによって、他に対する記憶に対して、抑制がかかっているのだと思う。例えば、英単語を記憶するとき、以前に覚えた単語が、新しく覚えた単語によって抑制され、思い出せないという
「逆行抑制」
に近い状態。 (cf. 忘却と検索 )
これに対処するため、複数の TODO を書き出すときは、次の二つの段階を意識的に分けるようにした。
- とりあえず 「大雑把に出力」 する段階
- それぞれの 「項目を精緻化」 する段階
2. 曖昧なタスクを書きだすのは難しい
一つの TODO を書き出すときですら、複数の TODO を書きだすときと、似たような状態になることがある。 TODO の内容が、単純で明確であれば、問題はない。しかし、
- 対象が曖昧で、
- 自分にとっては未知で、
- 不確定な要素が多い
ような TODO を言語化するとき、頭の中にあったものを書き出せなくなってしまうときがある。
また、普通に文章を書くようにして、TODO を書き出していくと、もどかしい感じがしないだろうか?考えている内容は、既に頭の中にあるけれど、指の運動速度の限界によるボトルネックが、ストレスになり、更に悪いことにメモとして書き出せない。
書き出せる部分を先にしてしまう
上記のような場合、次のように対処することにした。
例えば、頭の中にこれから調べたい内容として、以下の事項があったとする。
「Ruby の高階関数の制約」
内容自体は、書き出してしまえば、何ということはない。しかし、これを書き出す前は、自分が何について調べたいのか、漠然としている状態があった。そのようなとき、ちまちまと文章を書くように、前から後ろへと順番に書き出していては、後の内容が出てこなくなってしまう。
この例の場合、はじめに頭の中に、
- Ruby
- 制約
- 高階関数
という単語が漠然と存在した。
これを次のように、単語単位に、頭文字を書き出すと良い。
R 高 制
次に、文字の穴埋めのようにして、文章にしていく。
Rubyの 高階関数の 制約
部分的に書きだすのは、縦書きにする
上記の方法で十分だと思っていた。しかし、この方法は、「頭にあることを書きだす処理」の他に、もう一つ余分に処理を頭の中でしなくてはいけない。それは、文章を横一列に書き出すため、後で文を埋めるためのスペースを考慮しなくてはならないこと。
これが意外に頭にとっては負担となる。曖昧な事柄を書き出す作業をしているときは、書き出す作業以外のことを考えないほうが良い。思考のリソースは限られているので、有効に使うべき。
最終的に、自分は、次のような形式で書き出すようになった。
R 高 制
浮んだ単語の頭文字を縦に書いていく。これなら、文章にするための穴埋めのスペースを考慮せず、書き出す作業に集中できる。
Ruby の 高階関数の 制約
とても単純な違いだけれど、この方法にしてから、書き出したいことの、取りこぼしが少なくなったような気がする。 ^^
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