2011年4月10日日曜日

CPU のオーバークロック (3) - メモリに無理をさせない設定、Core 2 Duo E8400

1. オーバークロックしたら、ブルースクリーンが頻発

BIOS でオーバークロックの設定をした後、PC に負荷がかかると、突然ブルースクリーンになる。

特に、動画を再生中によく落ちる。そのため、最新の Flash Player をインストールして様子を見た。しかし、Flash Player はブルースクリーンと関係ないようだった。

そこで、BIOS でオーバークロックの設定を見直すことにする。

 

2. まずは PC 内部のホコリをチェック

最初に、ブルースクリーンになる前の CPU の温度を確認しておく。

ブルースクリーンになる直前、 CPU の温度を見て異常に高いときは、BIOS の設定をする前に PC 内部の掃除を行うこと。必要に応じて、冷却方法を考える。

 

3. メモリの設定

次に BIOS でメモリの設定を行う。

ASUS のマザーボードでは、メモリのアクセスに関する設定は、

  • Advanced > JumperFree Configuration > DRAM Timing Control

で行う。使用しているメモリに適した値は、メモリ本体に貼られたシールに書かれている。

自分が使っているメモリは 2 種類あり、以下のように記載されていた。

  • 555-12
  • 555-13

マニュアルには「同じ種類のものを使え」と書かれている。当然、メモリのアクセスのことを考えると、同じ種類のメモリを使うのが普通だろう。これが原因で BSOD が頻発しているかもしれない。

そこで、なるべく メモリに負担がかからない設定を試みた。

 

a. メモリのアクセスタイミングの調整

上記のメモリに記載されている数字は、メモリのアクセスに関する数値。

ASCII.jp:メモリモジュールオーバークロック指南|Windows 7で行なうオーバークロック によると、

メモリアクセスの手順に必要な時間(クロック数)を表している。4つの数字は順に「CAS# Latency」「RAS# to CAS# Delay」「RAS# Precharge」「RAS# Activate to Precharge」(マザーボードによってそれぞれの表記は異なることがある)を表しており、数字が小さいほうが、メモリアクセスを開始してから、実際にデータの転送が行なわれるまでのレイテンシ(遅延)が小さくなる。 …

通常は自動設定にしておけば問題はないのだが、メモリのバスクロックを定格よりも上げると(オーバークロック)、SPD情報の設定ではアクセスタイミングが短すぎて、間に合わなくなることがある。その場合、手動でアクセスタイミングを設定して、その数を増やす(レイテンシを増やす)ことで、動作が安定する場合がある。

(装飾は引用者による)

そこで、メモリのアクセスタイミングを、メモリ本体に書かれていた数値よりも大きい値に変更した。

777-19

メモリの設定を Auto にしていると、マザーボードがメモリの設定を読み取ってくれる。この時の値は、

5-5-18

だった。上記の設定は、この値よりも大きく設定した。

その他、DRAM に関する設定は、Auto にしていたとき、

3-52-6-3-3

と表示されていた。 PC が安定しないときは、この値も、Auto にしたときよりも、大きな値となるように設定しておく。

 

b. Transaction Booster

Transaction Booster の設定をして、アクセスタイミングを調整する。

DOS/V POWER REPORT | Impress Japan によると、

「Transaction Booster」は、メモリの詳細なアクセスタイミングを高速化する設定。Enabledにするとメモリのデータ転送速度が向上するが、安定性やオーバークロック耐性の点では不利となる点に注意は必要だ。

安定性を優先させるため、

  • Advanced > JumperFree Configuration > Transaction Booster

の値を Disabled に変更。

Transaction Booster と伴に表示される値の設定については、以下を参照した。

ASUSTeK Computer Inc. -Support- FAQ P5K-E FAQ BIOS の「Transaction booster」について

Transaction booster はASUSが開発したメモリレイテンシ調節機能です。
Booster Level: 有効にした場合の設定範囲は 0 ~ 1 です。「1」を選択すると、レイテンシが小さくなりメモリのパフォーマンスが上がります。
Relax Level: 無効に設定した場合の設定範囲は0 ~ 3 です。高く設定するほどレイテンシの範囲が高くなり、メモリの安定性が増します。

  • Relax Level を 1

に設定した。

とにかく、安定しないときは、メモリのアクセスするタイミングを調整して、レイテンシを増やすのが良い。

 

c. FSB Strap to North Bridge

FSB Strap to North Bridge を調整して、メモリの規格にある上限を超えないようにした。

自分が使っているメモリの種類は、DDR2-800

DDR2-800とは、DDR2 SDRAMのチップの規格で、フロントサイドバスFSB)のベースクロックが最大400MHzである規格のことである。

DOS/V POWER REPORT | Impress Japan によると、

「FSB Strap to North Bridge」では、CPUのシステムバスクロック(FSB)情報を上書きし、メモリクロック倍率やCPU-チップセット間のデータ転送のタイミングなどを変更できる。これはBSEL modと呼ばれるアルミホイルなどでの改造方法をBIOSで可能としたものだ。数値が大きいほどCPU-チップセット間の速度はわずかに下がるが、オーバークロック耐性は高くなる

(太字は引用者による)

Advanced > JumperFree Configuration の値を

  • FSB Strap to North Bridge : 400MHz

にした。

 

4. 電圧の設定

メモリ以外に、電圧の設定も行った。

a. North Bridge Voltage を上げる

よっちゃんのチラ裏 intel Core 2 Duo E8400 オーバークロック によると、

OS起動のみでベンチはかけていないですが、
ノースブリッジの電圧を+0.15V上げないと非常に不安定でした。

以下のように電圧を設定。

  • North Bridge Voltage : 1.4V
b. SpeedStep で省電力

DOS/V POWER REPORT | Impress Japan には、

SpeedStepテクノロジ(以下EIST)の設定も本メニューに用意されている…

EISTを利用するにはWindows Vistaの電源オプションにも気を配りたい。「バランス」設定ではEISTが利用されるが、高パフォーマンスに設定するとBIOSでEISTが有効になっていても常に最大クロックで動作する。また、省電力に設定した場合は、負荷がかかっても動作クロックが上がらず、パフォーマンスも常に低い状態になってしまう。そのため、通常は標準設定のバランスに設定しておけば低消費電力とパフォーマンスの両立が可能になる。

これより、Advanced > CPU Configuration で

  • Intel SpeedStep Tech : Enabled

であることを確認し、コントロールパネル > 電源の設定で「バランス」を選択。

c. Windows の電源オプション

動作がもっさりしてる場合は、

  • コントロールパネル > ハードウェアとサウンド > 電源オプション

のプランが「高パフォーマンス」が選択されていることを確認する。

 

5. その他

不安定な USB を使わない

複数ある USB ポートの中に、安定して利用できるものと、そうでないものがある。

例えば、マウスのレシーバは動くのに、キーボードを挿すと反応がないポートがある。こういったポートを利用すると、システム全体が不安定になり、BSOD になるかも。

AI Suite を削除

Windows 上でオーバークロックを行うアプリケーションは削除した。

マウスのドライバを更新

利用しているマウスドライバ、SetPoint を最新にした。

 

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