1. 壊れそうな古い PC で、軽い Linux を動作させたい
今にも壊れそうな PC がある。おそらく数年前のもので、CPU は Celeron 2.66GHz, メモリ 512 MB。しばらく使っていると、ファンが唸りだし、HDD へアクセスする度に異音がする。近々、廃棄予定とのこと。しかし、都合上、この PC で作業しなければならなかった。
OS は Windows XP。動作は軽いかと思いきや、メモリの使用量の多い、アンチウィルスソフトを常駐させているため、ブラウザを起動しただけで、物理メモリを超えてしまう。 そのため、Google ドキュメントで文書を作成しようとしても、なかなか反応がない。同時に、オフィス系のアプリケーションを起動すると、余りのレスポンスの悪さのために睡魔に襲われる。
Notepad++ のような、軽いエディタを使うくらいなら、何とかいける。しかし、HDD が昇天するかもしれない今、この PC のローカルに文書を保存することは躊躇われる。できることなら、クラウドに保存しておきたい。
Dropbox のような、ローカルのデータを、オンラインにも保存してくれるサービスを使い、今を乗り切る手もある。しかし、作業中の文書を、既に Google ドキュメントで管理しているので、ブラウザを利用できることが望ましい。
また、ローカルに消すことのできないデータがあり、OS を再インストールする時間的余裕もない。
そこで、CD-ROM から、軽い動作の Linux を起動し、ブラウザで Google ドキュメントにアクセスし、文書を作成することにした。
2. 軽いディストリビューションの候補を探す
普段は、Windows を使っている。 Linux を日常的に利用したことはない。そのため、何を使えばいのかわからない。使わなくなった古い PC に、軽いLinux をインストールするため、Windows 上の VirtualBox へ Ubuntu をインストールして検討したことはある。(2010.6.6) このときは、Ubuntu の派生である、Lubuntu を使用した。Ubuntu の推奨環境は、
Pentium 4 1GHz プロセッサ 1GBのシステムメモリ (Ubuntu - Wikipedia より)
Ubunu を利用したら、現状より動作が緩慢になるかもしれない。CPU は大丈夫だけれど、メモリに余裕がない。
Ubuntu日本語フォーラム / 古いPCだと難しいのでしょうか(2008-05-31) には、
が、軽いディストリビューションとして紹介されていた。
EcoLinux
Ecolinux - Wikipedia によると、Ecolinux(エコリナックス)は日本で開発されているUbuntuベースの軽量Linuxディストリビューション。
EcolinuxはUbuntuのソフトウェアを用いて、ロースペックマシンの利用者等に最新かつ軽量なオペレーティングシステムを提供することを目指している。…
Ubuntuには収録されていないようなハードウェアドライバのパッケージが多くインストールされており、Ubuntuが動作しないマシンでも動作する可能性がある。
Ubuntu - Wikipedia には、Ubuntu の非公式な派生物として挙げられている。
Puppy Linux
Puppy Linux - Wikipedia によると、Puppy Linux(パピーリナックス)とは、Linuxディストリビューションの一つである。独自に開発されたLive CDのLinuxディストリビューションであり、3.0以前はSlackwareと高い互換性を持っていた。…
- RAMを利用する仕組みを採用するので、ハードディスクが無くても運用できる。また、この機能のおかげで起動時以外はLive CDが不要…
- 個人設定はメディアやハードディスクへ恒久的に保存…
CPUの最低ラインがMMXPentiumクラスと、他のLive CDに比べてとても軽い。… パッケージの基本的な管理は、PETパッケージ・マネージャーによって行う。… Debianパッケージの利用も可能。…- 4.2以降の版ではパッケージマネージャがUbuntuパッケージ(.deb)に対応。…
動作が軽いことに加え、Live CD を利用した場合でも、設定を保存できるところが興味深い。
同じような機能は、KNOPPIX にもある。… CD/DVDから起動するため、書き込み(データの変更)を行うことができるユーザのホーム・ディレクトリなどがRAMディスク上に置かれており、パソコンの再起動やシャットダウンで保存したデータは消えてしまう。しかし、それらをフロッピーディスク、ハードディスク、USBメモリなどに保存することもできる。
(KNOPPIX - Wikipedia より)
独自のパッケージマネージャを持っているのに加え、Debian, Ubuntu パッケージも利用できるところが便利そう。
Linuxディストリビューションには、Slackware系の1つとして挙げられている。また、Linuxディストリビューションの比較 - Wikipedia では、ベースとなるディストリビューションは、none となっている。
3. Puppy Linux は軽かった
Ubuntu, EcoLinux, Puppy Linux の Live CD を入手して、実際に起動してみた。
その結果、Puppy Linux の動作が圧倒的に軽かった。次に EcoLinux で、Ubuntu は重くて使えなかった。
Google ドキュメントの入力のために、Google Chrome をインストール
SeaMonkey.jp via kwout
そこで、ブラウザを変更するために、Google Chrome をインストール。
を参考にして、
をダウンロードして、PETget パッケージマネージャで開き、インストールした。
これにより、日本語入力での問題がなくなった。
Windows の共有フォルダへアクセス
- メニューより、ネットワーク > Pnethood Samba 共有
を起動し、ネットワーク内の共有フォルダに connect ボタンで、接続。show ボタンにより、内容を表示させることができた。
とりあえず、文書作成用の PC として、使えるようになった。
1コメント:
XP サポート終了に向け思案しておりました。とても分かりやすく参考になりました。
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