2012年1月9日月曜日

古いノート PC に Lubuntu をインストール - ブラウザは Chromium, IME にMozc, wine で Windows アプリケーションも利用

1. Lubuntu で、Google Chrome, Google 日本語入力、Windows アプリケーションを使いたい

家に古いノート PC がある。

CPU Pentium M 1.5GHz, メモリ 1G。OS は Windows XP。

普段、自分が使っているデスクトップ PC の方が動作が早いため、このノート PC を使うと、余りの遅さに辟易する。

Linux をインストールすれば、サクサク動いてくれるだろうか?

以前に、Ubuntu を VirtualBox へインストールしたことがある。このとき、軽い動作にするために、Ubuntu の派生である Lubuntu をインストールした。今回、ノート PC に、この Lubuntu をインストールしてみるとにした。

要件は、

  1. ブラウザは、Google Chrome を使いたい。
  2. IME は、Google 日本語入力を使いたい。
  3. Windows アプリケーションも利用したい

 

2. はじめに Ubuntu をインストール

Lubuntu は、Ubuntu から派生したディストリビューション。Ubuntu の派生品の一覧を見ると、

比較的「軽い」ディストリビューション。

と紹介されている。

Lubuntu の特徴を確認しておく。

Ubuntuから派生したディストリビューションであり、「軽量で、リソース消費量が少なく、省エネ」なことを目指したプロジェクトである。…

LubuntuのRAM使用量は通常インストール状態でデスクトップとして使われたXubuntuやUbuntuのほぼ半分であり、Live CDを使った場合1/3になることが示された。[4]また、現在のUbuntu公式派生ディストリビューションの中で一番の人気を誇っている[15](2011年12月現在)…

Lubuntu - Wikipedia より)

軽くて、メモリ使用量が少なく、派生品の中では一番人気。

 

Lubuntu はインストールの途中でエラー

当初、lubuntu より、 Lubuntu/GetLubuntu にある

をインストールしようと試みた。しかし、インストールの途中でエラーとなった。

そこで、Ubuntu をインストールした後、Lubuntu へ変更することにした。

UbuntuDownload より、

  • Ubuntu 11.10, 32-bit

をダウンロードし、インストールウィザードに従う。 Ubuntu は、何の問題もなくインストールできた。詳しくは、Ubuntu 11.04インストールガイド - ZDNet Japan を参照。

追記(2013/10/17)PAE 非対応 の古いノートPC で Lubuntu 12.04 を利用する

 

見慣れない Unity
久しぶりにインストールしたら、随分 UI が変更されていたので違和感を感じた。この UI は Unity と呼ばれる。

Unity - Wikipedia によると、

縦に配置されたLauncher[1]と呼ばれるアプリケーションスイッチャー[2]などのインターフェイスが特徴で、タブレットやネットブックなど画面サイズが限定された環境でもスペースを有効に利用できるよう設計されている。Ubuntu11.04から採用され、Ubuntu11.10から本格的に採用された。…

あまりにもタブレットに最適化されすぎていて、デスクトップで使用するのは好ましくないとの意見や、まだ実用レベルではないという意見もある。

2012年のオープンソース界を大胆予想--今年のLinuxとOSSはどうなる? - ZDNet Japan

Canonicalがこの変更を行ったのは、Ubuntuをすべてのデバイスでサポートできるようにするためであり、当然それにはタブレット端末も含まれているはずだ。… Mark Shuttleworth氏も、Unityで行くという判断をした際に、技術の未来に無関心だったはずがない。その計画にはタブレットが必ず含まれているはずだ。

たしかに、Shuttleworth氏が述べた計画では、UbuntuおよびUnityを2年間でタブレットに対応させるということだった。わたしの考えでは、2012年にサプライズが起こり、最初のLinuxタブレットが登場するだろう。

Unity の UI は、慣れれば使いやすいのかもしれない。しかし、直感的なカスタマイズができないことと、インストールしたノート PC では、動作が重くて利用する気になれなかった。

ランチャーに登録したアプリケーションの位置を変更する方法

左横のランチャーに登録してあるアプリケーションの位置を変更する方法が、最初わからなかった。ランチャーにアプリケーションを登録する方法は、Windows 7 と同じように、アプリケーションを起動したら、そのアイコンを右クリックして、登録すれば良い。しかし、アイコンをつかんで移動させようとすると、ランチャー全体が帯のように縦方向に移動してしまう。アイコンの位置を変更するには、アイコンをクリックしたまま、ちょっと待ち、その後移動させる。Windows 7 とは少し勝手が違った。

ランチャーのアイコンを移動させる方法は、直感的だった。しかし、Dash ホームで表示される内容を、直感的な操作により自由に変更することができなかった。これが簡単にできるようになれば、使いやすい UI かもしれない。

ハイバネートとサスペンドができない

ハイバネート、サスペンドをさせると、その後、復帰できなかった。 PC は動作しているが、画面が真っ黒なまま。なぜか、一度ログアウトし、再ログインするとハイバネートとサスペンドが正常に動作した。

ハイバネート、サスペンドの後に、パスワードの入力を求めないように設定したかったので、

  • gconf-editor

をインストール。設定エディタを起動し、

  • / > desktop > gnome > lockdown の disable lock screen

にチェックしたけれど、ダメだった。

xubuntu, lubuntu では、ハイバネートとサスペンドは正常に動いた。

 

ブラウザのインストール
Google Chrome に相当するアプリケーションは、Chromium

Chromiumのスナップショットは、Googleによるいくつかの追加機能を除いて、Google Chromeの最新ビルドと本質的に似ている[4]。Google Chromeに含まれているがChromiumには含まれていない代表的なものには、Googleブランド、自動アップデート機能、クリックラップ契約(利用許諾に「同意する」を押下することで承諾するもの)、RLZトラッキング機能、Adobe Flash Playerの同梱などがある。

Chromiumプロジェクトの名前の由来は、鉄などのめっきに使われることで知られる金属系元素クロム英語でchromium)である。そのクロムめっきを施した金属を英語で chrome と呼ぶことから、「(Google) Chromeを作るのに使うモノ」という意味でこの名称となった[5]

Ubuntu ソフトウェアセンターで `Chromium’ で検索して、インストール。

Adobe Flash Player もインストールしておく。

 

IME のインストール

Google 日本語入力に相当するのは、Mozc 。

http://code.google.com/p/mozc/

mozc via kwout
オープンソース版はMozc(モズク)という名称で公開されている。

2010年5月11日Google Chrome OSで必要な部分のみが「mozc」という名称で、オープンソース化された[4]

ただし、Mozc は Ubuntu ソフトウェアセンターで検索しても、見つからなかった。

そこで、Synaptic Package Manager を使う。予め、Ubuntu ソフトウェアセンターで `synaptic’ で検索し、インストールしておく。

その後、Synaptic パッケージマネージャで `ibus-mozc’ を検索し、インストール指定し、適用する。

インストール後、一度、ログインしなおす。

  • メニューバーのキーボードのアイコン > 設定 > インプットメソッド

で Mozc を選択する。

日本語と英数を切り替えるには、Ctrl + Space を押す。

 

Windows アプリケーションを動かすために
7-zip

Windows で使われる圧縮形式を解凍できるように、7-zip をインストールしておく。Ubuntu ソフトウェアセンターで `7 zip’ で検索して、インストール。

7-zip で解凍するには、端末を起動し、

7z x アーカイブ名

Wine
Windows アプリケーションを動かすためのソフトは Wine

Wine (ワイン)は、オープンソースWindows API 実装を通じて、主として x86 アーキテクチャ上の Unix 系 OSにおいて Microsoft Windowsアプリケーションをネイティブ動作させることを目標とするプログラム群である。…

Windows プログラムが要求する DLL の代替品を供給し、また Windows NT カーネルプロセスを再現することによって、Windows プログラムをネイティブ動作させる。簡単に言えば Wine は、Linux 上で Windows を動作させているのではなく、Linux に Windowsと同じ挙動をさせているのである。

Ubuntu ソフトウェアセンターで `wine’ で検索。現在、バージョンが 1.2, 1.3, Beta とある。

サウンドが正常に出力されない

試しに、スライドぽぷん を動作させてみた。

ダウンロードし、解凍後、ダブルクリックで起動するには、

  • アプリケーションで右クリック > プロパティ > 開き方

で `Wine Windows Program Loader’ を選択する。ただし、バージョン 1.2 では、プロパティのアクセスで、「プログラムとして実行可能」にチェックをする必要がある。

バージョン 1.3 では、サウンドが正常に出力されるが、動きが悪くなった。バージョン 1.2 では、サウンドが一部出力されない代わりに、動きがよくなった。Configure Wine のオーディオの設定で、「音のテスト」音が出た EsounD を選択したら、全てのサウンドが出力されたが、音がでるタイミングがおかしくなった。

アプリケーションによって、ちゃんと動いてくれるものと、そうでないものがある。

 

3.  Ubuntu から Lubuntu へ変更

10.04なら「Lubuntu」化が超簡単!Xubuntuよりもサクサク動くデスクトップが一気に導入可能! « LiberOS | Viva! Ubuntu!! によると、

Ubuntuが採用しているパッケージ管理システム”apt”には一気にパッケージをまとめて導入できる「メタパッケージ」という便利な機能があります。

デスクトップ環境関連のメタパッケージとしては、「kubuntu-desktop」、「xubuntu-desktop」、「ubuntustudio-desktop」、「mythbuntu-desktop」、「edubuntu-desktop」(教育用)、「Ichthux desktop」(キリスト教向け)、「matchbox-desktop」(8.04までで終了)などがあり、Synapticパッケージマネージャからこれらをインストールするだけで、デスクトップ環境をガラリと変えてしまうパッケージ類を一気に導入することが可能です。

Synapticパッケージマネージャを起動し`lubuntu-desktop’ を検索し、インストール指定したら、適用する。

一旦ログアウトし、ログイン画面で、lubuntu を選択。

さすがに、Lubuntu の方が Unity よりも、メモリ使用量が少なく、動きも良かった。また、ハイバネート、サスペンドも正常に利用できるようになった。

デスクトップをカスタマイズするには、

  • メニューより、設定 > Openbox Configuration Manager

を利用する。