2012年1月16日月曜日

Lucid Puppy を古いノート PC で利用する - Chromium, Wine をインストール

1. Puppy Linux 日本語版を利用する

Puppy Linux は動作が軽い。CPU Celeron 2.66GHz, メモリ 512 MB の壊れそうな古いデスクトップ PC でもサクサク動作する

Lubuntu は、Puppy Linux よりも重い。CPU Pentium M 1.5GHz, メモリ 1G である古いノート PC に、Ubuntu の派生品である Lubuntu をインストールしたら、ブラウズ・文書作成では、問題のないパフォーマンスが得られた。Wine により、Windows アプリケーションも利用できた。

今回は、Lubuntu をインストールした古いノート PC で、Puppy Linux を利用してみる。

Puppy Linux 日本語版http://openlab.jp/puppylinux/download/ より、

をダウンロードして、CD-ROM に書き込む。

CD-ROM から、ノート PC を起動したら、Lubuntu に比べて動作が早かった。

 

無線 LAN の設定 (WPA, AES)

ノート PC は、無線 LAN を利用している。ネットワークの設定から行う。

  1. デスクトップの「接続」 > Desktop/tray の Network Wizard を選択。
  2. タイプがワイアレスの方を選択。(wlan0)
  3. 「ワイアレス」ボタンを押す。
  4. スキャンして、接続先を選択。

接続先の無線ネットワークは、WPA で、暗号化方式に AES を利用している。

試しに WPA/TKIP を選択し、

  1. 「暗号化なし」のチェックを外し、
  2. 暗号化キーを入力し、保存。
  3. 「このプロファイルを使う」を押す。

しかし、ネットワークに接続出来なかった。

軽量Linux まだまだ使う旧パソコン | PuppyLinux4.2 無線LAN設定 AES WLI3-CB-G54L によると、

アクセスポイントの暗号方式はWPA-PSK(AES)なので、WPA-PSK(AES)での接続が目的。…

今回は「WPA/TKIP」を選んだ。
プロファイルを保存後、以下のファイルを手修正する。
「/etc/network-wizard/wireless/wpa_profiles/xx:xx:xx:xx:xx:xx.WPA.conf」を修正。
------------------------------
pairwire=TKIP
group=TKIP
↓ 以下に変更
pairwire=CCMP
group=CCMP
------------------------------

上記の説明に従い、

  • /etc/network-wizard/wireless/wpa_profiles/xx:xx:xx:xx:xx:xx.WPA.conf

を編集して、再度、接続を試みたら、接続できた。

次に、「自動 DHCP」を選択して、ネットワークの終了。

これでパッケージを利用するために、ネットワークからダウンロードできるようになった。

 

2. Lucid Puppy を利用する

a. Lucid Puppy は、Puppy Linux 日本語版とは系統が異なる

デスクトップ PC に Puppy Linux をインストールしたとき、ブラウザとして Google Chrome をインストールした。このとき利用したパッケージは、

ダウンロード先の URL を見ると、Puppy Linux 日本語版 と同じドメインであることがわかる。

Chromium - Wikipedia には、Google Chrome のオープンソース版として、次のように説明がある。

Puppy LinuxではChromium 5.0.342をUbuntuのリポジトリから流用したLucid Puppy 5.0.0から提供されている[50]

Lucid Puppy とは、何だろう?

Puppy Linux - Wikipedia で、これまでのバージョンを確認すると、

Lucid Puppy は、日本語版の Puppy とは別系統。

「KNOPPIX 6.4.4」と「Puppy Linux5.2」が登場 - Linuxレポート:ITpro によると、

Puppy Linuxは、日本語版の最新バージョンが2009年秋リリースの「4.3.1」である。だが本家の英語版は4.3.1以降、大きく2つの系統で進化している。

一つは4.3.1の直系となる「Wary Puppy」だ。…

もう一つはUbuntuベースの派生版「Lucid Puppy」。こちらは2011年1月6日、従来のバージョン5.1.1から「5.2」になっている

Lucid Puppy は、Ubuntu ベースだからパッケージがたくさんありそう。

Puppy Linux の本家サイトを見ると、ページ右上に3つの系統があった。

Barry Kauler - Powered by PPLOG によると、

Slacko Puppy 5.3, our flagship Puppy, premiered on October 25, 2011

Slacko Puppy がフラッグシップということらしい。

 

b. Pupppy Linux 日本語版では、Lucid Puppy のリポジトリにある Chromium が動作しなかった

とりあえず、Puppy Linux 日本語版のままで作業を続けた。

  • メニューより、セットアップ > Puppy パッケージマネージャ

を起動。

パッケージのダウンロード先のリポジトリを確認するために、

  • PETgetパッケージマネージャの設定

データベース更新において、「ただちに更新」をする。その後、ダイアログを閉じて、再度開くと、

puppy-lucid-officel

が表示された。

パッケージレポジトリの選択において、puppy-lucid-officel がチェックされていることを確認する。

一度、Puppyパッケージマネージャ を終了し、再度開くと、puppy-lucid-officel のリポジトリの内容が表示された。

次に、Internet カテゴリにある

Chromium-18-Lucid

のインストールした。しかし、Chromium-18-Lucid は起動できなかった。このパッケージは Lucid Puppy 専用のようだ。

 

c. Lucid Puppy にインストールできるパッケージの一覧

Lucid Puppy にインストールできるパッケージを確認する。データベース更新の「ただちに更新」において表示される、接続先である

にブラウザでアクセス。検索フィールドがあったので `lucid’ で検索。その結果、以下に Lucid Puppy でインストールできるパッケージの一覧が表示された。

上記を見ると、たくさんのパッケージがあることがわかる。Wine も含まれていることがわかった。

 

d. Lucid Puppy を利用してみる

そこで、Puppy Linux 日本語版ではなく、Lucid Puppy を利用することにした。

Barry Kauler - Powered by PPLOGLucid Puppy 5.2.8 released より、

をダウンロードし、CD-ROM に書き込み、ノート PC で CD-ROM から起動。

 

e. Lucid Puppy で、無線 LANへ接続 (WPA, AES)

Lucid Puppy 日本語版と同じように、無線 LAN の設定から行う。

先ほどと同じように、予め無線の設定ファイルを修正しておく。

「/etc/network-wizard/wireless/wpa_profiles/xx:xx:xx:xx:xx:xx.WPA.conf」を修正。
------------------------------
pairwire=TKIP
group=TKIP
↓ 以下に変更
pairwire=CCMP
group=CCMP
------------------------------

軽量Linux まだまだ使う旧パソコン | PuppyLinux4.2 無線LAN設定 AES WLI3-CB-G54Lより)

次に、ネットワークの設定を行う。

  1. menu > Setup > Internet Connection Wizard
  2. Desktop/tray の Network Wizard を選択
  3. Interfaces で wlan0 を選択。
  4. Configure wireless network の Wiress ボタンを押す。
  5. Scan ボタンを押し、接続先のネットワークを選択する。
  6. WPA/TKIP を選択。
  7. 「Security: Open」のチェックを外す。
  8. 暗号化キーを入力し、保存。
  9. Configure interface で Auto DHCP ボタンを押し、接続できたら、設定を保存するか促されるので yes を選択。
  10. Done ボタン を押して、終了。

これでブラウザを起動すると、ネットに接続できるようになった。

 

f. Lucid Puppy の日本語化

Lucid Puppy を起動すると、メニューやメッセージが英語で表示がされる。これを日本語にローカライズしたい。

Puppy Linux 日本語版`によると、

2.16.1〜4.31まではオリジナルのPuppy Linuxをベースに直接日本語リソースを組み込んだものを日本語版として提供してきましたが、開発の省力化の為、5.1x以降は国際化の仕組みを備えた Puplets"Lucid Puppy QuickSet edition"(Lupq) と日本語リソースのpet又はsfsを組み込んだものをベースに開発中です。

lupq-5.xに lang_pack_ja-lupq-0.x.pet をインストールすることで日本語版と同等に使えるようになります。正式に最新版の日本語版が公開される前に5.x系を試したい方はこの組み合わせでお使いください。

sakurapup.browserloadofcoolness.com • トピック - Lucid Puppy 5.2.x の日本語化 によると、

本家版 Lucid Puppy の最新版は Lucid Puppy 5.2.8.004 になります。
http://www.murga-linux.com/puppy/viewtopic.php?t=70855
パッケージマネージャより System のところにある lang_pack_ja-lupq-0.5.pet をインストールすると日本語が使えるようになります。
ただし日本語化パッケージは大きいので、実装RAMが 512MB以下の場合、初回起動でタイムゾーンとキーボードのみ選択し(この時点では言語の選択肢に日本語は現れない)、何もインストールせず、ただちにシャットダウンして pupsave(lupqsave)をまずは作成することをお勧めします。
むしろ、PETによらず SFSの使用をお奨めします。
日本語化SFSは lang_pack_ja-1.4.sfs (2011年10月15日update) を
http://shino.pos.to/party/bridge.cgi?puppy/opt/ から。
SFSをロードするには、
menu --> Setup --> Setup Puppy のところに SFS-Load on-the-fly があります。

ここでは、PET を利用して、日本語化する。

パッケージマネージャを起動するため、

  • menu > Setup > Setup Puppy > Puppy Package Manager

を選択。

  • System > lang_pack_ja-lupq-0.5

をインストール。ダウンロード先は、

  • ibiblio.org

にしておいた。次に、

  • Desktop > Contry Settings > Choose locale country localisation

で ja_JP: Japanese, Japan を選択すると、X Windows を再起動することを促されるので、再起動。

  • Desktop > Country Settings > Countrywizard 言語、タイムゾーン、キーボード

で、ja_JP 日本語,JAPAN, GMT+8, jp106 (日本語キーボード) を選択。

 

g. パッケージマネージャでリポジトリの更新

アプリケーションをインストールする前に、リポジトリの更新を行う。

  • menu > Setup > Setup Puppy > Puppy Package Manager

で、Configure package manager ボタンを押し、Update now する。

 

h. ブラウザ chromium のインストール

パッケージマネージャで、ブラウザとして chromium をインストールする。

  • menu > Setup > Setup Puppy > Puppy Package Manager

を起動し `chromium’ で find 。

  • Chromium-18-Lucid

をインストール。

上記の Puppy Linux 日本語版では動作しなかったが、今回は問題なく動いた。

 

i. Windows アプリケーションを動かすために
7zip

Windows アプリケーションにおける、一般的なアーカイブ形式を解凍できるように、7-zip をインストールする。

Barry Kauler - Powered by PPLOG によると、

I have created a 'p7zip' PET and uploaded it to the 'Puppy-common' repo (953K, 67K):
http://distro.ibiblio.org/quirky/pet_packages-common/p7zip-9.20.1-i486-w5.pet
http://distro.ibiblio.org/quirky/pet_packages-common/p7zip_DOC-9.20.1-i486-w5.pet

上記をブラウザでダウンロードし起動すると、パッケージマネージャが起動して、インストールされる。

Wine
  • menu > Setup > Setup Puppy > Puppy Package Manager

において `wind’ で find 。

Wine-1.3.13-Lucid52 をインストール。インストール後、以下のエラーが表示された。

img_0047

メニューを見ると、Windows のメモ帳やワードパッドがインストールされていることが確認できる。

試しに、SameGame for Windows をブラウザでダウンロード。ダウンロードしたフォルダで、

  • 右クリック > ウィンドウ > ここで Xterm を起動

7z x アーカイブ名

により解凍。 XXXXXX.exe をダウンロードすると、起動できた。

しかし、スライドぽぷん は起動できなかった。Lubuntu をインストールしたときは、動いたのになぜだろう?