1. スクリーンキーボードを利用したい
手足が不自由で、筋肉のコントロールが上手くできず、不随意な運動が生じる人にとって、普通のキーボードを打つことは難しい。
その場合、一つのキーを確実に押すために、「キーガード」を使用する。キーガードは、キーボードを覆うプラスティックの板で、キーごとに穴が開いている。これにより、間違えて別のキーを押すことを防ぐことができる。
キーガードによる入力も不可能で、ボタン一つ押す動作ができる場合、スクリーンキーボードを使う。
スクリーン キーボード | マイクロソフト アクセシビリティ によると、
標準的なキーボードを両手でスムーズに扱うことが難しい場合、キーボードの 1 つのキーやマウスなどで文字を入力することができます。
スクリーン キーボード | マイクロソフト アクセシビリティ via kwout
Pete
Pete(ピート) は、 Windows に標準に付いているスクリーンキーボードを高機能にしたアプリケーション。このアプリで、オートスキャン による入力を試したことがある。
Pete(ピート)オートスキャンで利用 によると、
オートスキャンモードでは、マウスの代わりにワンスイッチ入力装置を使用してソフトキーボード上のボタンを選択することにより入力を行います。
文字入力を試みると、かなり難しことが分かる。一文入力するだけで相当時間がかかった。
2. スクリーンキーボードと、棒読みちゃんを組み合わせて音声出力
最近、四肢が不自由で話すことができない人とコミュニケーションを取る機会があった。相手の話を聞くときは、
- 顔を見ながら、「あ、か、さ、た、な…」と発音していき、
- 頷いたところで母音に移り、
- もう一度頷いたのを確認してやっと一文字が確定する。
気の遠くなるような作業だった。
Windows にも、標準でスクリーンキーボード付いている。こちらもオートスキャンによる入力が可能。
スクリーンキーボードと、Skype チャットの読み上げで使った「棒読みちゃん」 を組み合わせて使うことにより、音声でコミュニケーションをとることができないだろうか。スクリーンキーボードは OS に付属しているし、「棒読みちゃん」はフリーで入手できる。PC さえあれば、どこでもお手軽に利用できる。
3.スクリーンキーボードと拡大鏡の起動
スクリーンキーボードを起動するために、最初に
Windows キー + U
を押して、アクセシビリティに関するツールを起動するための画面を表示する。このショートカットキーは、ユーザビリティ の U と覚えておけば良い。
上記の操作で表示できない場合は、スタートメニューより
を選択する。
拡大鏡は、スクリーンキーボードが小さい場合に利用すると良い。
4. スクリーンキーボードの設定
キーボードの表示をブロックレイアウトにする
オートスキャン方式で入力しやすくするために、
- メニューより、「キーボード > ブロックレイアウト」
を選択。
テンキーの表示が必要ない場合、「キーボード > 標準キーボード」にしておく。
オートスキャン
「設定 > 入力モード」を選択。
「ジョイスティックまたはキーで選択する」にチェック。スキャンの間隔を適当な値に設定。
デフォルトでは、スペースキーでキーの確定が行われる。
フォントを大きくして、クリック音を使用
デフォルトではキーボードの文字が小さかった。そこで、
により、フォントサイズを大きくした。
にチェックを入れておくと、オートスキャンでタイミングを合わせやすい。
5. 棒読みちゃん
入力された文字を読むために 棒読みちゃん をダウンロードして起動。
- 「音声合成タブ」の文字列を入力するフィールドにカーソルを合わせ、
- 上記のスクリーンキーボードを起動する。
- ここに入力した文字は、F5 キーを押すことによって読み上げられる。
読み上げる内容は、ローマ字入力で書いても、音声で出力させれば結構聞き取ることができる。
例えば、以下のように入力して再生。
honjituwaseitennari
この書き方は、「本日は晴天なり」と入力するときと違い、「は」 を `wa’ と入力する必要がある。
ほんじつはせいてんなり
と、全部ひらがなで入力すると、「は」を `wa’ と読んでくれる。
6. 拡大鏡
スクリーンキーボードの表示が小さいと感じたら、拡大鏡で大きくすれば、文字の入力がしやすくなる。
7. Google 日本語入力
日本語へと変換したい場合は、できるだけ効率的に行いたい。
フリ-で使えて、学習機能が優れているといえば Google 日本語入力。少し長めの文でも、一度入力しておけばサジェスト機能により素早く入力できる。
サジェスト - Google 日本語入力 ヘルプ によると、
この機能を有効にすると、ユーザーが入力した単語や文章の履歴をもとに、入力途中でも的確と思われる変換候補を予測、サジェストとして表示します。
これで専用ソフトには及ばないまでも、そこそこ何とかなる。