2015年5月25日月曜日

手書き用紙・PDF文書を LibreOffice Calc で入力・編集できるように変換

0. 目次

 

1. 大雑把で良いから、手書き用紙・PDF文書を PC で簡単に入力・編集できるようにしたい

手書き用紙やPDF文書を PC で入力しやすくできるよう変換したい。

PDF には、フィールドに文字を入力するための PDFフォーム という機能が用意されている。ただし、様々なサイトで配布されている PDFファイル には、フォーム が設定されていない。そのため、自力で入力フィールドに合わせて文字を入力し、印刷しなければならないことがある。

しかし、繰り返し使う文書である場合、PDFフォーム が設定されていないと、文字入力をする前にフィールドのサイズに合わせて、文字列の範囲を指定しないといけないので手間がかかる。 (+_+)

 

a. Acrobat の PDF フォーム

SnapCrab_2015-05-21_12-00-06_No-0000Acrobat を持っていれば、割と簡単に PDFフォーム を作成できる。(メニューより、表示 > ツール > フォーム)

Acrobat を持っていない場合、いくつかのやり方がある。

 

b. LibreOffice Calc で大雑把に作る

SnapCrab_2015-05-21_11-01-52_No-0000ここでは LibreOffice Calc を利用する。方法としてはかなり大雑把だけれど、手っ取り早い。

ただし、あまり複雑な文書には向いてないし、正攻法という感じはしない。

しかし、表計算の機能を必要とする文書では、お手軽に計算式を利用できるというメリットはある。

 

2. 対象の画像を得る

例えば、名古屋市(暮らしの情報) > 住民票の写し等交付申請書 の場合。

最初に申請書の画像を得る。実際に用紙を持っているなら、スキャナで取り込み画像化する。上記のPDF ファイルからなら、PDF-XChange Viewer で画像としてエクスポートする。

Untitled01 - コピー

 

3. ページ、列幅の設定

a. 余白、ヘッダー、フッターをなくす

次に、LibreOffice Calc を起動し、ページの余白をなくすために 0.00 cm に設定する。

  • メニューより、書式 > ページ

SnapCrab_2015-05-16_00-04-07_No-0000

同ダイアログにおいて、ヘッダーとフッターも付けないようにチェックを外しておく。

SnapCrab_2015-05-16_00-05-17_No-0000

SnapCrab_2015-05-16_00-05-20_No-0000

 

b. 列幅を設定する

予め列幅を 0.10cm に設定しておく。そのために、

  1. 全てのセルを選択しておき、列の見出しで右クリック > 列幅 を選択。
  2. 幅を 0.10 cm に指定する。

SnapCrab_2015-05-16_12-16-36_No-0000

 

4. 対象画像の設定

a. 画像を読込み、背景に配置する

この状態で対象の画像を読み込み、左上に配置する。

その後、画像を右クリック > 整列 > 背景へ を選択する。

SnapCrab_2015-05-16_11-53-35_No-0000

背景に配置した画像を調整したい場合、

  • メニューより、表示 > ナビゲーター

において対象画像を選択することにより、再び操作できるようになる。

SnapCrab_2015-05-21_11-44-20_No-0000

 

b. サイズの微調整

ところで、対象の PDF ファイルは A4 横。オリジナルの画像サイズは 210mm × 297mm。

LibreOffice Calc 4.4.3.2 では、上記の画像を読み込み、印刷プレビューを確認すると A4 サイズに納まらない。そこで、対象画像を縦横 1mm ずつ縮める。

  1. 前述の通り、ナビゲーターで画像を選択し、画像を右クリック > 位置とサイズ を選択。
  2. 「縦横比を固定する」にチェックを入れた後、サイズの幅、高さを 0.10 cm 小さくする。

SnapCrab_2015-05-17_21-23-33_No-0000

この状態で一度「印刷プレビュー」を表示し、閉じると、表計算の入力画面に印刷のガイドが表示される。行の高を少しだけ調整すると、A4 1 枚に納めることができることを確認できる。

 

5. 行の高さとセルの結合

a. 入力フィールドに合わせて、行の高さを調整

次に、入力フィールドやチェックマークのサイズに合わせて、行の高さ上から調整していく。

SnapCrab_2015-05-16_12-16-47_No-0000

 

b. フィールドに合わせてセルの結合

後は、入力フィールド、チェックボックスに該当する箇所に対して、大雑把に「セルの結合」を行なう。

列幅は、最初に 0.10 cm に設定してあるので微調整は必要ないことが多い。セルの結合には、ショートカットキーを割当てておくと便利。

SnapCrab_2015-05-17_21-34-02_No-0000

 

6. 入力のサポート

a. 文字サイズを入力に合わせて変更

入力文字数が変化したときに合わせてフォントサイズを自動で変更されるように、

  • セルの書式設定 > 配置 > プロパティ > セルサイズに合わせて縮小

を選択しておく。

SnapCrab_2015-05-25_05-16-49_No-0000

ただし、「テキストを自動的に折り返す」機能と同時には使えないようだ。

そのような場合は、「テキストを自動的に折り返す」設定をしておき、文字を入力するときに、手動でテキストサイズを設定する。

cf. LibreOffice Calc でセルに複数行を入力

 

b. 計算式を入力

計算で自動的に求めることができるセルには、関数を入力し、書式を設定しておく。

例えば、「日付」を入力するフィールドを自動的に入力したい場合、

  1. 「年、月、日」のセルに =today() を入力
  2. 各セルで右クリック > セルの書式設定 を選択し、ユーザー定義カテゴリーにおいて 日付の書式 を入力する。

SnapCrab_2015-05-25_05-01-26_No-0000

 

c. テンプレートファイルとして保存

最後に、ファイルをテンプレートとして保存する。

メニューより、ファイル > 名前を付けて保存 において、

  • 「ファイルの種類」として「ODF 表計算ドキュメントテンプレート (.ots) (*.ots)

を選択する。

SnapCrab_2015-05-21_11-33-15_No-0000

これにより、テンプレートファイルを開くと、テンプレートを元に新しく LibreOffice Calc のファイルが作られる。