2013年3月3日日曜日

GIMP で画像の大きさを変えずにファイルサイズを小さくする

1. データサイズを小さくしたい

test2GIMP から画像を様々な形式に変換できる。変換するには、

  • メニューより、ファイル > エクスポート...

を選択する。

このとき、できるだけ画質を落とさずにファイルサイズを小さくしたい。

変換できる代表的なファイル形式として JPEG, PNG, GIF がある。

大雑把な認識として、静止画像を扱う JPEG。アニメーションする GIF。特許問題をキッカケに開発された PNG。詳しくは以下を参照。

それぞれの圧縮形式が、どのような用途に向いているのか把握しておく。

 

2. 圧縮の方式

圧縮の方式には、圧縮前のデータに戻せる「可逆圧縮」と、元に戻せない「非可逆圧縮」がある。

可逆圧縮 – Wikipedia によると、

可逆圧縮(かぎゃくあっしゅく)とは、圧縮前のデータと、圧縮・展開の処理を経たデータが完全に等しくなるデータ圧縮方法のこと。ロスレス圧縮とも呼ばれる。

これに対して、非可逆圧縮 – Wikipedia によると、

非可逆圧縮(ひかぎゃくあっしゅく)とは、圧縮前のデータと、圧縮・展開を経たデータとが完全には一致しないデータ圧縮方法のこと。…

圧縮に伴い、データは欠落・改変するものの、人間の視聴覚特性を利用して劣化を目立たなくしている。… その結果、すべてのデータを均一に扱う可逆圧縮と比較して圧倒的な圧縮率が得られ、利点である。

つまり、データサイズを小さくすることを優先したい場合、非可逆圧縮方式を選択する。

 

3. JPEG, GIF, PNG の違い

a. JPEG

JPEG は非可逆圧縮なので、画像サイズを小さくできる。

Joint Photographic Experts Group によると、

静止画像デジタルデータ圧縮する方式のひとつ。

一般的に非可逆圧縮の画像フォーマットとして知られているが、可逆圧縮形式もサポートしている。しかし、可逆圧縮は特許などの関係でほとんど利用されていない。

JPEGではブロック単位で変換を行うため、圧縮率を上げるとブロックの境界にブロックノイズと呼ばれるノイズが生じる。

… 画像の急峻な変化を十分に表現できないため、エッジ周辺では(ある一点に集る蚊にたとえ)モスキートノイズと呼ばれるノイズが生じる。

とくにには弱く、小さくすると赤の部分でノイズが発生しやすい。

 

b. GIF

GIF の特徴は、可逆圧縮で扱える色は256色以下。

Graphics Interchange Format – Wikipedia によると、

GIF規格には1987年6月15日に公開されたGIF87a1990年7月30日に公開されたGIF89aの2種類があり、GIF89aでは、透過GIFとアニメーションGIFがサポートされた。

GIFは256色以下の画像を扱うことができる可逆圧縮形式のファイルフォーマットである。圧縮画像ファイルフォーマットでは歴史の長いもののひとつで、WebブラウザではJPEGと並んで標準的にサポートされる。圧縮形式の特性上、同一色が連続する画像の圧縮率が高くなるため、イラストやボタン画像など、使用色数の少ない画像への使用に適している。

 

c. PNG

PNG も可逆圧縮であるが、GIF よりも扱える色数が多い。また、透過した画像を作成することができる。

Portable Network Graphics – Wikipedia によると、

圧縮アルゴリズムとしてDeflateを採用している、圧縮による画質の劣化のない可逆圧縮画像ファイルフォーマットである。

1996年に登場し、可逆圧縮の画像フォーマットとして既に普及していた GIF に対しネットワーク経由での使用を想定した機能や透過処理など、多くの機能をサポートした。

GIF との比較

  • ほとんどの画像で PNG は GIF より圧縮率が高い。
  • GIF は1色透過だが、PNG はアルファチャンネルを持ち半透明の表現が可能。
  • PNG はフルカラーが可能なため256色の GIF より精細な色表現が可能。 …

JPEGとの比較

JPEGは、主に写真的なイメージデータを非可逆圧縮することでPNGよりも小さなファイルサイズに収めることができる。…

PNGは、テキストや線画など色の境界がはっきりしたイメージに適している。線画と写真が混在している場合では、目的に応じてシャープな部分を重視する場合はPNG、ファイルサイズを重視する場合はJPEGを選ぶことができる。

 

4. GIMP で画像をエクスポート

GIMP で画像をエクスポートするときの設定は、第6章 GIMPから画像を引き出す を参照。

2. ウェブ用の画像の作成 > 2.1. 画像の容量最適化と品質 によると、

画像をウェブでも使いやすくするとき肝心なのは、 どんな画像形態とファイル形式にするかということです。 写真は大抵がたくさんの色を持ちとても緻密なので JPEG を使いましょう。 ボタンやアイコンやスクリーンショットのような色が少ない画像には PNG がふさわしい形式です。

1.2.2. JPEG 形式に画像をエクスポート

画像をJPEG形式のファイルに保存するとき、 ダイアログが開かれ、 ここで画像の品質を 0 から 100 の範囲で指定できるようになっています。 … 「JPEG 形式で保存する」ダイアログでは、 画像ウィンドウでプレビュー を有効にすれば実際にスライダーを動かして品質の変化とその効果を確かめられます。

 

JPEG 形式でエクスポート

GIMP でメニューより、ファイル > エクスポート... を選択する。

  1. 「画像をエクスポート」のダイアログが表示されたら、「ファイル形式の選択」より JPEG 画像を選択する。
  2. JPEG で保存する際のオプションダイアログが表示されたら、「画像ウィンドウでプレビュー」にチェックを付ける。
  3. 品質を表すスライダーを適当に下げていく。この際、「ファイルサイズ」を参考にすると良い。

SnapCrab_No-0004

 

参考サイト